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お気に入りのティーカップに、とっておきの温かい紅茶を淹れる静かな夜。
毎年2月27日の「ポケモンデイ」は、私にとって特別な日。初代の『赤・緑』が生まれたこの日をお祝いする公式発表(Pokémon Presents)を、画面の前でドキドキしながら待つ時間は、何度経験しても胸が弾む。
2026年の記念すべき夜、私は県外に住む妹と電話を繋ぎながらその時を待っていた。オープニングで歴代の相棒たち、1025匹のロゴムービーが流れた瞬間、「このロゴ可愛いね!」「懐かしいなぁ」なんて受話器越しに声を弾ませる。一人で観る特報もいいけれど、こうして感想を言い合いながら迎える夜は、格別に賑やかで温かい。
いざ完全新作『ポケットモンスター ウインド・ウェーブ』の映像が始まり、新しい東南アジア風の美しい世界が広がったとき、私たちの目は釘付けになった。紹介された新御三家―ハブロウ、ポムケン、ミオリー。
「ポムケン可愛い!」と瞬時に声を上げた妹。昔からポメラニアンが大好きな妹らしいチョイスに、私は納得感しかなくて、ふふっと微笑んでしまう。
対する私は、「ミオリーかな」とそのウルウルの瞳を見つめていた。かつてアニメで観た、あの臆病だったヒトカゲが、自信あふれるリザードンへと成長したように。あるいは、小さな芋虫が美しい蝶々へと羽化するような、ドラマチックな変化を彼女に夢見てしまったのだ。私たちのプリンセス・アシレーヌのように美しく、もしかしたら「水・ドラゴン」タイプへと、強く安らかに進化してくれるかもしれない……なんて、熱い考察が胸の中で渦巻いていた。
(ちなみに草タイプのハブロウには、私の中で鳥ポケモンの頂点に「モクロー」が殿堂入りしているせいで、つい審査が厳しくなってしまって「ちょっとごめんね」と心の中で謝ったのだけれど、それはここだけの秘密だ)
新作の新しい大地を、早くこの足で観光してみたい。強くても、たとえ強くなくても、パルデアの海辺でぽつんと佇むバチンウニのように、自分の「好き」を信じて、自分の歩幅でのんびり歩む冒険が、今から待ち遠しくてたまらない。
今回の30周年記念の発表の中で、ミニマリストである私のクローゼットの壁を、一瞬でとろけさせた特別な存在がいる。
それが、「30周年記念マスコット ピカピカ!ピカチュウ」だ。
バースデーリボンをつけ、繊細なラメ加工が施された上品な生地で、お目目までキラキラと輝いている特別なピカチュウ。その姿を見た瞬間、私の脳内には「ピカチュウ先輩だ……!」という言葉が浮かんでいた。
普段は「1 in 1 out」の厳格なマイルールを守り、滅多にキャラクターグッズをおうちに増やさない私だけれど、「先輩」と思った時点で、買わないという選択肢は綺麗に消え去っていた。元々ほとんどポケモングッズは持っていなかったのだから、「30周年の記念だもの、これくらいはいいよね」と、優しく自分を甘やかすことにしたのだ。
だけど、おうちに迎えた大切な先輩を、私は普段、汚れないようにそっとクローゼットの奥にしまっている。
日常の暮らしの中で、いつもの私の特等席にお供として寄り添ってくれているのは、普通色の「イーブイちゃん」のぬいぐるみだ。色違いの特別なきらめきは、実際にいつも目の前にあると、なんだか緊張してしまう。だから私には、あのふんわりとした普通色のイーブイちゃんが、いちばん心地よくてちょうどいい。
ひとりの自由な時間に、ときどきクローゼットからそっと先輩を取り出して、机の上に並べる。きらきら光る金色の「Since 1996」のネームタグを眺めながら、温かい紅茶をゆっくりと口に含む。そんな風に、あえて「余白」として楽しむ大好きなものとの距離感が、私の暮らしをとても愛おしく、豊かに彩ってくれている。

完全新作『ウインド・ウェーブ』の心躍る映像から、ミニマリストの壁を軽々と飛び越えてきた「ピカチュウ先輩」との出会いまで。30周年の節目にふさわしい、盛りだくさんなお祝いの夜だった。
ポケモンが始まって30年。カントー地方から始まった旅は、今や新しい未知の地方へと続いている。振り返れば、いつもそこには大好きなポケモンたちがいて、一緒に笑ってくれる妹がいてくれる。
来年はどんな新しい風が吹くのかしら。2027年のポケモンデイを楽しみに待ちながら、今年も相棒のイーブイちゃんと一緒に、自分の歩幅でのんびりパルデアやカントーの地を旅したいと思う。
あなたの隣にいる大切な相棒にも、優しい風がふわりと吹きますように。 また次の街でお会いしましょう。
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